先日、「成功・不成功は紙一重」、「あなたが偉人だったかもしれない」と書いたが、これは逆にすると、「あなたが劣った人」だったかもしれないことになる。優っている人がいれば当然劣っている人がいる。歌の上手い人がいれば下手な人がいて、足の速い人がいれば遅い人がいるように。足や歌だったらまだいいが、頭脳だったら程度によっては一生を左右することになる可能性が高い。
知的障害者や境界知能という言葉がある。IQ100があれば120,130があり、同じく80、70もある。高いと誉められ、低いと貶(おとし)められる。自分が低い可能性もあった。だから、思いやれというのではなく、手を差し伸べろというのでもない。できるに越したことはないが,とくに手を差し伸べるのはかなり個人の力としては限界がある。そこで言いたいのは、思いやらないまでも、馬鹿にするな、貶(さげす)むなということ。頭の回転が遅いからといって、言葉を知らないからといって、計算ができないといって、理解できないからといって責めるな。本人はやりたくなくてしないのではなく、ほんとうにできないのかもしれないから。
図形を180度回転すると、上下は逆転する。劣っている点があることは、視点を変えれば優れている点があることを示す。できない人を少なくとも馬鹿にしないほうがいい。