こびとの楽園(藤城清治)
小暑の候,元気でお過ごしでしょうか。西側諸国の選挙が混乱していますね。右派が強く、与党が弱い、あちらこちらで政権交代となる勢いです。世界総右派となったら世界はひとつになるのでしょうか?ならないですね。政治理念や思想が異なるのが対立の原因ではなく,対立の理由が思想や主義だからです。つまり、はじめに対立ありきです。
さて、前節は神奈川から一転那須に行きました。天気があまり良くないのは承知の上で、那須塩原、黒磯、那須湯本温泉、茶臼岳と回りました。茶臼岳は思ったより急で、ヒザのリハビリを終えてから行ったので時間があまりなく登りませんでした。もっとも、時間があってもヒザの状態と天気の悪さを考えて登らなかったと思います。
二日目藤城清治美術館に行きました。100歳でまだ健在だそうです。最初のうちは藤城ワールドが少しメルヘンチックすぎて抵抗がありましたが、次第にその世界に入り込んでゆき、帰る頃にはすっかり魅了されていました。彼は,徹底してメルヘンチックでポジディブです。揺るぎがないので好きか嫌いかしかなさそうですが、彼の作品が美しいことは疑問の余地がありません。また,1日に100枚のカミソリを消尽した(記憶違いかも)、その作業量に敬意を表さずにはいられませんでした。その執着性はまさに芸術家のそれです。芸術と狂気は隣り合わせで、正気に留まるのはけっこう難しく、藤城さんはその稀有な例なのでは、と思いました。ところで、なぜ藤城清治美術館が那須にあるのでしょう?(ニキ美術館が閉館、改装されて藤城美術館になったから⁈)
藤城美術館に感化されてさいたまに戻り、早速都内で開催中の美術展を調べ、東京国立近代美術館(MOMAT) で開催中のTRIO展に行くことにしました。大阪中之島美術館、パリ市立近代美術館、MOMAT所蔵の110名の芸術家による150作品を34のテーマに沿って展示しています。いきなり佐伯祐三の「郵便配達夫」と安井曽太郎の「金蓉」のカウンターを食らい,その後も古賀春江,シャガール、モジリアーニ、デュフィ、ピカソ、マティス、萬鉄五郎などの連打にふらふらになりました。岡本太郎も良かった。ときどき美術館に行かなくてはいけない、と藤城さんは気づかせてくれました。
3月からの歩行距離と階数をグラフにしてみました。ヒザの調子のいい時と悪い時の歩行距離や階数との相関関係を見ようと思ったからですが、相関係数を計算するまでもなく(どうやって計算するのかも忘れてしまいましたが(^o^)),あまり明らかな相関はなく、無理をしない限り,階数も歩行距離もあまり気にせず、動いたほうが良さそうです。
人生を死の側から見るか、生の側から見るか,が高齢者の分水嶺との見方がありますが、この見方では私は明らかに高齢者です。完全に死の側から人生を見ています。(-_-;) ヒザが悪くなる以前から、新型コロナで外出を控えていたころからです。そういえば、あの新型コロナの外出自粛は遥か昔のことのようです。緊急事態宣言などと言われて、よく殊勝にも外出を我慢したものです。人間は忘れる動物である。これをポジティブに捉えよう。都合の悪いこと、嫌なことはどんどん忘れよう。v(^o^)