仕事
1.何かを作り出す、または、成し遂げるための行動。「やりかけの—」「—が手につかない」
2.生計を立てる手段として従事する事柄。職業。「将来性のある—を探す」「金融関係の—に就く」「週の半分は自宅で—する」
3. したこと。行動の結果。業績。「いい—を残す」
work
働くこと
仕事,労働(時間)
生産活動,作業,操業.研究,
結果,仕事ぶり,業績,作品
労働
1.からだを使って働くこと。特に、収入を得る目的で、からだや知能を使って働くこと。「工場で—する」「時間外—」「頭脳—」
2.経済学で、生産に向けられる人間の努力ないし活動。自然に働きかけてこれを変化させ、生産手段や生活手段をつくりだす人間の活動。労働力の使用・消費。
labor
(肉体)労働,勤労;労務,〔集合的に〕(経営側に対して)労働者(側),労働者[階級]
(参考)
職業
生計を維持するために、人が日常従事する仕事。生業。職。「教師を—とする」「—につく」「家の—を継ぐ」「—に貴賤 (きせん) なし」
job
(定期的に賃金が支払われる)仕事(解説的語義)職,勤め(口)
「仕事」「労働」は,違いを考え出したら迷子になりそうだが、コミュニケーションで使い方や意味にとまどうことはそれほどないかもしれない。ハンナ・アーレントは「仕事」は耐久性のある物を製作し、それを通じて人間世界を創造する営み,「労働」は生命を維持するための営み(関西大学「研究最前線No.67」百木 漠 准教授),とはっきり区別し,より長命(長持ちする)の「仕事」を増やし短命の「労働」を減らすことを提言している.私は,「仕事」は自発的なもの,「労働」は非自発的・強制的なものとし,「仕事」と「労働」を融合させて自分なりにバランスを取ることが,生きる上で重要なテーマと考える.
生きていくためにどうしても金銭は必要,そのため「労働」はしなくてはならないが,それが強制ではなく自発的に行うもの,すなわち「仕事」であるに越したことはない.一方で,好きなことだけして生活ができないのは困るし,好きなことで生活が成り立っても,締切や大量の「労働」となり,健康を害する,ひいては死に至っては元も子もない.つまり「仕事」と「労働」のバランスを取ることが肝要となる.「売れっ子・・」になると「仕事」にしたくてもなかなかコントロールが難しく「労働」になりがちである.「労働」は報酬が多ければ,ーそれは名声も伴うことが多いー,まだ救いはあるが,嫌なきつい「労働」を低収入でしなければならない,いわゆるブラック「労働」は最悪だ.しかしこれが少なくないのが現状だろう.一方で,報酬は低くても責任や仕事も報酬に応じてゆるければ「労働」も悪くはないが,低生産性国家日本でこれは少ないと多くの人が感じているのではないだろうか.「仕事」を趣味にする日曜画家などは名声や報酬には報われないが,悪いことではないのかもしれない,というか幸せなことである.
「仕事」「労働」の使い方や意味に人それぞれ違いがあるかもしれないが,人生のテーマとして一大テーマであることは共通だろう.私の理想は,「仕事」は多めに,「労働」は控えめに,であることはいうまでもない.(^o^)
ところで,主婦の家事は「仕事」か「労働」か?「仕事」でもあり「労働」でもあるだろう.愛する子どもや夫のために進んでやる家事は「仕事」,バカ息子バカ娘,ダメ夫のために義務としてやるのは「労働」だろう.
写真:スイス•サン・モリッツ湖 Lake St.Moritz