森嶋通夫氏(経済学者)が21世紀半ばの日本を次のようにイメージした.『なぜ日本は行き詰まったか』(2004)より 以下編集抜粋.
日本の政治家と官僚の,誰かの指示に忠実に従う態度は,戦前戦中の軍部独裁時代に学び取ったもの.戦後もアメリカ政治に対して同様に示し続けた日本は,卑屈なまでに忠実な敗戦国であるとともに,このことが日本の成功の最大理由の一つであった.しかし,風もなく推進力もない状態で,日本は忠実に振る舞うための相手を持っていない.日本のリーダーたちがこんなにひ弱く,かつ自信をなくしている限り,自分がはまりこんでいる罠から脱出する見込みはなく日本の苦悩は続きそう.生活水準は相当に高いが,活動力がなく,国際的に重要でない国,21世紀半ばの日本のイメージ.
編集抜粋終わり

かなり辛辣だが,当たっている部分も少なくない.2050年日本がこのようで何か問題があるのだろうか.国際的に経済大国である必要があるか?軍事力を増強し領土拡大に突き進むよりも,誰かの指示に卑屈に従うよりも,健全な経済と財政で,一部の技術力や製品力が世界のトップクラスにあり,身の丈に合った援助ができればそれでいいんじゃないか.換言すれば,ないほうがいい国でも,あってもなくてもいい国でもなく,あったほうがいい国をめざせばいいのではないか.

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