マルクスは過去を否定した.思考や思弁ではなく革命などの実践が必要とヘーゲル哲学批判に始まり,現状の社会批判として宗教を批判,リベラリズム批判,経済批判,市場批判,ブルジョワ批判と批判を続けた.「疎外論」から「類的存在」プロレタリアートを発掘し彼らのユートピア・コミュニティ建設のために革命が必要と訴えた.思想の根拠となったのが「史的唯物論」で,物質的・経済的条件を重視,生産手段と生産関係との矛盾に注目し,階級構造や経済的支配分析に利用した.政治的な力がどのように権力関係を形成・維持するか研究し,資本主義社会の権力の本質は支配者層による経済支配と主張,上部構造だけを変えても,土台が変わらなければより平等で正義のある社会は実現しない,土台の変革のためには革命が必要とプロレタリアートに行動を起こすよう訴えた.