ジョン•スチュアート•ミルのベンサム評

J•S•ミルはベンサムを偉大な革新的思想家として一定の評価はしている.しかし,ベンサムは他の思想家を認めず,自分自身からのみ哲学を作り上げようとしたことと,その彼の精神が普遍的な人間本性の代表ではなかったことを問題視する.ベンサムが人間の本質的感情の多くに不感症だったことに加え,想像力欠如が災いして環境が引き出してくれる以上の自分自身の本性さえ獲得できず,まして同胞の本性は彼らの表面的観察から得られる一般化以上に知りえなかった.ベンサムの平穏な人生がさらに経験を狭めた.他者を認めず,他者の精神や感情も理解・共感できず,自身の人生経験も限定的で,ベンサム哲学は内的・外的経験に乏しい独善的哲学であったと批判した.

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