東工大と東京医科歯科大の統合に向けての協議が開始されたそうだ.近年国公私大とも統合が進んでいる.名古屋大学と岐阜大学の統合のように統合してもあまり変わらないケースと,大阪大学(大阪外語大学)や高知大学(高知医科大学)のように完全統合するケースとでは違うと思うが,名大パタンだと,そうなるのではないかと勝手に予想しているが,あまり変わらないのではないか.

 大学の日本における難易度と世界ランキングの隔たりが大きすぎの感がある.100番以内に東大と京大だけ,200番台に東北大,300番台東工大,東京医科歯科大は600番台.ランキングはあくまでも参考だがもし,実際のレベルがこれに近かったら,統合で解決する問題ではなく日本の高等教育を抜本的に見直さなければならないが,私見だが,正当な評価ではない(論文発表などで言語の障害がある,日本の大学の入学までは受験勉強入学後は就職活動などとランキング評価基準の間にズレがある)と思う.つまり,大学のランキング≠学生の優秀さと思うのでこの点はスルー.

 さて,大学制度に関して2点強調したい.ひとつは,大学入学までと大学入学後のマインドを切り替える必要があること.入学までは国内競争,入学後は国際競争と切り替える必要がある.日本の場合,大学に入るまでに重点が置かれすぎていると思う.むしろ,大学に入ってから,あるいは社会人になってからがより重要で,それまではいわゆる助走,助走にエネルギーを使いすぎていないか?まして受験で燃え尽きてしまってはしょうがない.もうひとつは,国際語である英語のコミュニケーション力がなさすぎる.言語に限らず,自分の考えや意見を表すプレゼンテーション力というべきかもしれないが,研究者やグローバル企業勤務者に限らず,国内で一生暮らすにしても視野はグローバルに広げておくべきで,言語障壁をもっと低くするべき.それは,入学後では遅すぎで入学までの教育に限らず社会的な認識の変化も必要(実際すでに試みは始まっているが)だと思う.大学では普通に世界語のGlobishは話せるぐらいでないとまずいだろう.たとえば海外メディアのインタビューに応えられるのがスタンダードぐらいになってしかるべきだし,事実,英語が母国語ではない国でもそれが大学生の普通のレベルと社会が認識している感がある.バイリンガルやネイティブのように発音する必要はない.自分の意見が言えてそれが相手に伝わりさえすれば良い.実際,英米豪加でさえも各国のアクセントや表現に違いがある.Globishのコミュニケーション力で日本の大学生は世界的に相当低く,それが,大学世界ランキングに影響していると思う.

 研究開発には予算が必要で,予算を得るには活発な経済活動が必要で,経済興隆には先端の研究開発が必要と,結局堂々めぐりになってしまう.統合には賛成だが,その目的と手段,そしてゴールを明確にしないと,統合して終わってしまう危険性がある.絵に描いた生ホイップどら焼きにならないといいのだが.(美味しくないわけないでしょう,パンケーキ+生クリーム+あんこ)
写真:絵に描いた「するが」の生どら焼き

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