花束みたいな恋をした

ありかす(有村架純)とすだまさ(菅田将暉)好演,“でも感”が残る.「花束みたいな恋」つまり綺麗に取り揃えられ,効果的にアソートされた花束のような恋愛だからなのかもしれない.20代の丸4年間の恋愛期間は重く長いが,それを女性のほうがご破算にしたのは見事だし,実際取り戻しもした.男性が恋愛の先を,つまり結婚を考えた時に安定した収入,職業,地位を考えるのは当然だ.それをしない男性もそれを求めない女性も明らかな少数派だ。マジョリティの男性とマイノリティの女性のカップルの話だった。
結婚するときに最も身近に存在する人.結婚の縁とはそういうものなのかもしれない.結婚する相手が結婚相手としてベスト,ベスト恋人とは過去の人なのだろう.

初めに安定や就職を基盤とした人生設計ではなく,自分が人生で何をしたいのか考え,それに向かって,収入や生活の安定を築くためにどうしたら良いか,何をしなければならないか,そんな人生を葛藤のうえ成し遂げられたら素晴らしいのだが….なかなかうまく行かないから,安定指向,安全指向の人生設計をし,しかしそれは自分を裏切ることにもなり,どこかで踏ん切りをつけなければならないが,それは挫折と敗北感がともない,大きなストレスで人生を諦めたような気にもさせられる.しかし,チャレンジした上で妥協点を見つけることは必要で,それは敗北ではないと思う.
「安定指向」が自分に嘘つかないことで,ストレスがたまらないのであれば,それは少しも否定しない.

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