「PLAN 75」がカンヌ映画祭新人監督賞特別表彰を受けた.「PLAN 75」とは75歳になったら自分の生死が選べる制度で,超高齢化社会の日本の近未来が舞台,現代版「楢山節考」,生きることの尊さをテーマにしているのだろう.個人的には尊厳死肯定派なのだが,75歳で区切るのは問題がある,それもテーマに含まれるのだろうが.生死に対する考え方とともに,健康・体力に個人差があるから年齢で線引きをするのは好ましくない.ではなんだったらいいか,
トイレ,着替え,入浴,食事,食事の準備・片付け,掃除,買物,これらができるうちはこの制度は不要だろう,つまり,これらができるということを,QOLのベンチマークの一つとして考えていいだろう.ではこれらができるということをまとめると,歩けるということではないか.歩ければ,日常生活が支障なく行える,QOLの一定基準が満たされている,生死の判断をする時期ではまだない,と考えて良いのではないか.もちろん,歩ける以外の他の要素を無視して良いことにはならない.でも,ひとつの基準にはなるだろう.
ところで,個人としては歩けるかどうかが一つの基準でいいとして,役所は市民ひとりひとりが歩けるかどうか,どう把握できるのか?自分や家族以外やっぱりできない.マクロ的には,役所的には,生年月日である年齢に達したら連絡して状態を訊くしかないだろう.その年齢は男女とも健康寿命といわれる近辺の75歳が適当だろう.80歳ではちょっと遅すぎる.要するに,「PLAN WALK」ではダメだ.早川千絵監督は正しかった.チャンチャン.