人生が二度あれば

井上陽水に「人生が二度あれば」(1972年)という曲がある.この後,「傘がない」,「夢の中へ」,「心もよう」とブレイクした.「人生が二度あれば」は,陽水の仕事人だった父親が65歳,子育てと家族のために年老いた母親が64歳になる年に作られ,誰のための人生だったのか,「人生が二度あれば・・・」と歌っていた.

やり直すとしたら何をやり直すか?考えてみると,大したことは思いつかない.「あの時もっと勉強しておけば」,「あの時告っておけば」,「進路はこうしていたら」ぐらいのことで,そうしてたら劇的に人生が変わったか,というと,本人そのものが全くの別人になれるのなら別だろうが,ただ選択に限れば大して変わらなかったような気がする.人生がすっかり変わってしまった人,つまり事故や事件を起こした人や巻き込まれた人は,「あの時何々しなければ」というのはあるだろう.生まれつき難病に罹っている人や障がいを持って生まれた人は健康に生まれたっかったかもしれない.だけど,普通の,大部分の人は人生が二度あってもそれほど人生が変わらないような気がする.だいたい人生はやり直せないし,人生は二度ない.

生きているうちに,「何々しておけば」,ということをし,「何々しなければ」ということをしないようにするしかない.それらを具体的に考えるために,「人生が二度あれば」ということを考える意味はあるかもしれない.

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