利益には大きく純利益と粗利益の二つがある.その他にも経常利益,営業利益などもあるが,ここでは大きく純利益と粗利益について述べる.簡単な違いは,純利益は全てのコスト,税金さえも支払った残りの利益(税引き後純利益),粗利益は商品の売上から原材料費や製造費などの原価を引いたもので,当然,粗利益>純利益となる.

粗利益はとにかくないことには話にならない.多ければ多いほどいい.でも純利益は必ずしもそうではない.手元現金が多いことは,万が一の時の備えにはなるだろう.財務的にはもちろん良いことだが,将来のための投資をしているかはわからない.純利益が,もし研究開発など積極的に投資をして仮に赤字になっていたとしても,それが結果的に生きた投資となれば純利益が小さいことも,赤字でさえあることも悪いことではない.アマゾンやテスラもそうして積極的に投資して現在の時価総額にしてきた.もちろん,投資が成功したからで,失敗していれば今のアマゾンやテスラはなかっただろう.そして,そのように消えていった企業は星の数ほどたくさんあっただろう.

結論は粗利益は多ければ多いほど良い.しかし,純利益が多いことは必ずしも良いとは限らない.積極的に投資すること,その投資の内容が重要だということ.日本の企業はこの点備えてばかりで財務的には健全でも将来性の点では疑問なのではないか?そして,もし,日本や日本経済がいくら投資したくても投資できる環境でないとしたらもっと深刻な問題となる.日本は,個々人も企業も将来のために,正しい投資,正しい冒険をもっとすべきなのではないか?正しい投資や冒険,それがわかれば苦労しないが,正解はない.ならば,冒すことが必要なのではないか?

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