遺伝子に刻まれた寿命プログラムがあるかどうかはさておき,人それぞれの生きる期間がそれぞれの人にとっての寿命(めでたい長い命)だ.長いに越したことはないが,短いのが良くない,ということでもない.確かに,20代,30代で亡くなるのは少し早過ぎるように感じるし,林住期となりしばらく私的人生のハイライトを生きられたら,すなわち60代となればそれなりに納得の寿命のように思われる.いくつで亡くなっても,その人にとっては「寿命」だが,「願わくば林住期まで」.
エゴン・シーレ 洗濯物のある家 1917 個人蔵